同窓会会長
東海林 正 隆 (昭和17年採鉱科卒)
 
 朝夕の冷え込みを感じるようになり、季節は秋から冬へと移り変わろうとしています。
 同窓会員の皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 日頃から本同窓会の活動や運営にあたりまして、格別のご協力とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 ご存じのとおり、本校は本県初の県立工業高校として、明治三十七年に中堅技術者の育成と「工業立国」の理想を掲げてこの金砂の地に開校されました。以来「質実剛健」の校訓のもと着実に歩み続け多くの有能な人材を輩出し、工業界は言うに及ばず、スポーツ、文化面でも広く活躍されているのは周知のとおりであります。

 そして今年、創立百周年という節目の年を迎え、十月一日には秋田県民会館において多くの同窓生にご出席を頂き盛大な記念式典が催され、その後会場を移した祝賀会では、あちらこちらで思い出話に花を咲かせ学生時代に戻った同窓諸氏の姿が見受けられました。また九月二十七日には、同窓会から学校へ多目的屋内運動場(愛称金砂キューブ)の贈呈式が行われました。昨今の経済不況の多大な影響を受ける中で、この多目的屋内運動場建設をはじめブロンズ像の贈呈や百年誌の発刊など一連の創立百周年の記念事業が順調に推移したことは、同窓生の皆様と関係各位のご協力の賜物と衷心より敬意と感謝を表すものであります。
   部活動の活躍については、様々な機会を目にされていると思いますが、嬉しいことに陸上競技部とラグビー部が全国大会出場を果たすことになりました。今年の都大路出場をかけた県予選は、県都四百年記念ということもあり秋田市内を会場に行われ、爽やかな秋風の如く駆け抜けた選手の姿は頼もしいかぎりでした。ラグビー部は二年ぶり六十回目の花園であり、全国最多出場は言うまでもありません。今年こそ悲願の平成初優勝に向けて、秋田工業伝統の紫白のジャージがグランド狭しと活躍することを期待しております。

 今年学校では、質実剛健~百年の技と志を現在へ~というキャッチフレーズを掲げました。質実剛健の気風で培われた伝統の技と英知、気概を今こそ結集し躍進を果たすという意味なのだそうですが、同窓会としても秋工二世紀に向けてこの強い気持ちが受け継がれるよう母校を盛り立てていきたいと考えています。しかしながら、生徒数の減少などにより学校を取り巻く状況も大変なものがあると聞いております。来春新しく同窓会員になる今の三年生の諸君の進路も決定しつつあるようですが、平成最悪の状況を脱したとは言ってもまだまだ厳しい世の中です。同窓生の方々には温かい眼差しで後輩達を見守り、ご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、母校の発展と会員の皆様のご多幸を心よりお祈りし、あいさつといたします。

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