校歌百年を経る
仙台金砂会会長  大 島 喜三郎
(昭和26年土木科卒)
 
 同窓で寄り合う機会毎に校歌が登場する。上手も下手もない。誰でもが歌えるのが良い。歌詞に迷った時は、誰かについて行けば良い。突拍子もない高い声になっても、笑う者などいない。私などいまだに5行詩の最後の「希望の光・・黒煙日毎・・忠誠これぞ・・」を取り違えることがある。

 今でも思う。一世紀という百年の星霜を経ても、“太平山の凜たる雄姿”に始まる我が校歌の歌詞は、現在でも揺ぎなく通用していることを。まさに、不滅の歌詞であることに限りない愛着と誇りを持っている。素晴らしい校歌である。

 創立100周年記念の祝賀挨拶の中でも校歌の歌詞が様々に引用されていた。「太平山・旭川・勤労・質実・使命・・」といったこれら普段使い慣れない言葉も、聞き入れるのに違和感がない。むしろ祝賀の雰囲気を盛り立てて行く不思議ささえある。
   祝賀会の圧巻は東京秋工会の佐々木昭夫氏(M25)ほか10名による秋工創立百周年を讃えての詩吟でした。「ふるさとの 山を思えば 懐かしき 遠くに霞む 太平の山」と故郷を懐かしみ、つづいて尺八を奏しての“秋工質実剛健の校訓を讃えた”本詩の風情ある朗詠でした。並み居る同窓六百有余名の場内は寂として声なく、終わって万雷の拍手が湧き起ったのである。若かりし学生時代の風景と質実剛健の校訓を讃美したこの詩吟は、みなぎる満堂に大きな感動を与えたのである。

 輝かしい歴史と伝統を受け継いで、これからも校歌を大事にして21世紀を勇躍していただきたい。母校・秋田工業のますますの繁栄を心から祈念してやまない。

 校歌百年を経(ふ)る重厚さに万感の敬意を表するものである。