秋田県立秋田工業高等学校
    創立100周年記念に寄せて
東京秋工会顧問 笹 渕   茂
(昭和21年治金科卒)
 
 西澤学長のご講演の中で、「今や欧州では、交流から直流の時代」とのお話が印象に残った。

 DNAの話も、学者らしい発想でのそれがまたおもしろかった。

 西澤先生のご講演については、他の方も書かれることだろうから、わたしは祝賀会で発表した「東京秋工会」の合吟について触れてみたい。

 10数名が演台に立ってのそれは圧巻であった。

 ♪太平の清流旭川に連なる、……。

 出吟者諸君の精進が伺える堂々の発表だった。

 聞くところによると、この舞台出場には相馬洋悦君(昭和40年建築科卒)の手腕によるところが大きい。現在、彼は大和豊山流の詩吟の宗師。そうした中にあって、あの壮大な祝歌「祝秋工創立百周年讃質実剛健校訓」を創作、指導。東京秋工会として会場に披露したのであった。
   合吟はユニゾンなので、ハモッてはならない。しかし、そうした心配はなかった。発声の強弱、緩急、どれをとっても文句なし。よくもまあ、ここまで鍛えたものだ。

 黒一色のコスチュームがまぶしい。両手をこぶしでそろえ、服のボタンを閉じる。そばで尺八の余韻、余情。きりりと決まった。何と格好のいいことか。

 あとで聞いた話だが、発表までにはいろいろと苦心があったらしい。はやくから強化合宿がおこなわれ、静岡県・今井浜での早朝発声、山中湖での合宿等々と続く。

 こうした精進の結果があのすばらしい成果につながったのだろう。

 他支部での詩吟部の創設を期待し、いつの日か全国的模様の「秋工高合吟祭」を夢みたい。