外からみた秋工
定時制課程教頭 中 野   直
 
 18年ぶりに母校に帰ってまいりました。同窓会の皆様はじめ関係各位には、またお世話になることと存じますが、よろしくお願い申し上げます。

 この18年間、金足農業高校、教育庁保健体育課(国体準備担当・競技力向上対策局)、秋田南高校(高体連)と3つの職場に勤務しながら、母校の動静が気になっていた訳ですが、この機会をお借りして外からみた秋工の感想を述べたいと思います。

 まず昨年の創立100周年記念行事並びに式典に際しては、学校職員はもとより同窓会の皆々様はじめ各関係団体の頑張り、御支援により盛大に挙行されましたことはまことに喜ばしい限りであり、教育委員会はじめ各方面からお褒めの辞をいただきました。これまでの御労苦が報われた事と思います。

 さて学校活動に目を向ければ、必ずしも満足のゆく活躍、成果ではなかったのではと考えます。同じ実業高校の秋田商業と常に比較されるのですが、特別活動において見劣りするのは何故か。県体協関係者、高体連関係者等からよく質問されたものです。

 ※ちなみに秋田商の活躍状況をお知らせすると、硬式野球、サッカー、レスリング、剣道(男女)の全国的活躍は周知の通り、これに卓球、テニス、陸上(短距離)等の競技もインターハイ出場の常連である。

学校規模、生徒数、活動環境、学校の歴史、生徒の男女の比率、何をとっても秋田商業に劣る要素はないと周囲から見られるのは当然のことでしょう。
  生徒の気質、保護者の干渉、教育環境の著しい変化、価値観うんぬん等々が原因と指摘する声もありますが、これは理由にはなりません。何故ならこれらの事項については、秋工、秋商に限らず、どこの高校でも同様だからです。

 さすれば何が足りないのか?。

 様々な要素があろうと思いますが、最終的に帰結することは指導者の情熱・ポリシーに尽きると思います。極言すれば、気狂いになって打ち込めるかどうかにかかるのでははいでしょうか。そのためには学校(管理職)は、最大限の理解と環境作りに邁進する必要があることはいうまでもありませんし、支援する諸団体にしても同じことがいえると思います。

 同窓の皆様は、いかがお考えでしょうか。
もう一点、気になっていたのは秋工生の服装の乱れ、マナーの悪さが著しく学校評価を下げていたことです。『あのような状態だから、運動部も勝てねなえ』といった話をよく耳にしたものです。今春、芳賀校長が赴任され、まず着手されたのが教育環境の整備(清掃や服装、マナーの徹底指導)です。いわば教育の原点スタートといえるでしょう。創立101年新生秋工を創造すべく教職員が一体となって立ち上がったところです。どうか同窓生の皆様、過去の栄光・伝統にいつまでも浸ることなく、時代に沿った考えや物事の捉えかたをしていただきたいと思います。また、いつでも様々な情報を学校に提供していただき、【元気ある秋工】復活にご尽力下さるようお願い申し上げ、僭越ながら苦言混じりの挨拶といたします。


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